【2019年5月1日(水)奉拝】
三重県伊勢市に鎮座する「猿田彦神社(さるたひこ)」は、猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)を祀る神社です。
伊勢神宮の内宮から徒歩約15分の場所に鎮座する猿田彦神社はアクセスはもとより、30分ほどで参拝できる小社ということもあり、神宮とともに参拝する人が多い神社です。また一説には猿田彦大神を祀る本社との謂われがあり、旧社格としては高くありませんが、古くから由緒あるお宮です。社殿の二重破風は当社独特の建築様式として特筆したい。
- アクセス
- 見どころ
- 境内案内図
- ⑴「猿田彦神社社殿」 二重破風のさだひこ造り
- ⑵「方位石(古殿地)」 神座のあった神聖な場所
- ⑶「佐瑠女(さるめ)神社」 芸能の祖神
- ⑷「御神田(おみた)」 御神田祭が行われる御神田
- 御朱印情報
- 猿田彦神社を参拝して
アクセス
※電車
・JR東海「伊勢市駅」、近鉄「宇治山田駅」「五十鈴川駅」からタクシーで約5分。
※バス
※車
・伊勢自動車道「伊勢西IC」から約5分。
(駐車場あり)
猿田彦神社の駐車場には限りがあります。
伊勢神宮(内宮)の駐車場を利用するか、公共交通機関での参拝をおすすめします。
見どころ
猿田彦神社の見どころ、4箇所あります。
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⑴猿田彦神社社殿
⑵方位石(古殿地)
⑶佐瑠女神社(さるめ)
⑷御神田(おみた)
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境内案内図
(公式HPより一部引用&編集)
⑴「猿田彦神社社殿」 二重破風のさだひこ造り
猿田彦神社の社殿は二重破風の妻入り造りで、俗に「さだひこ造り」と呼ばれています。二重破風は社殿正面に見える山形の屋根のことです。
いつ頃建てられたのかは不明ですが、下部の破風は特に大きく作られており、横広のどっしりとした印象を与えています。祭神の猿田彦大神の方除(八方除)にちなみ、屋根の上の鰹木が八角形となっているのも当社らしい造りですね。
⑵「方位石(古殿地)」 神座のあった神聖な場所
鳥居をくぐってすぐ社殿の前に八角形の石柱があります。
古殿地(こでんち)と刻されたこの石柱は、昭和11(1936)年の造営まで永く神座のあった場所で最も神聖な場所です。それだけに多くの人が賽銭を置いていきます。社殿の鰹木や鳥居と同じく、こちらも祭神の神徳にちなんで八角形で設置されています。
⑶「佐瑠女(さるめ)神社」 芸能の祖神
祭神の天宇受売尊(あめのうずめのみこと)が猿田彦神社の主祭神・猿田彦尊の妻となったことからでしょう。同神を祀る「佐瑠女(さるめ)神社」は、猿田彦神社と向かい合うように鎮座しています。
天宇受売尊は神話の天岩戸に登場する神です。岩戸の前で舞踊により天照大神を導き出した神とすることから、芸能の祖神として崇められています。
音楽関係や芸能関係、様々な習い事をされている方の崇敬が厚いので、上達・成功祈願してみてはいかがでしょうか。
⑷「御神田(おみた)」 御神田祭が行われる御神田
社殿の裏手には御神田(おみた)があります。
ここでは毎年5月5日に豊作を祈って早苗を植えるお祭り「御神田祭」が行われます。
桃山時代の民族衣装をつけた植方が囃方の田楽に合わせて早苗を植える様子はさながら優雅な絵巻のようです。豊作豊漁を占う団扇角力神事や拝殿前の豊年踊りも見ものですよ。
明治初期の上地令により寺社の領地が廃止されたので、一時的に全国の御神田が失われたそうです。その後再興された所もあるようですが、私が実見した限り大きな神社でも必ずあるというわけではありません。
近代社格制度で言えば無格社(無格社は最下位)に位置していながら、立派な御神田が存在しており、是非当ブログでも紹介しておきたいと思い記しました。
社殿の裏ということもあり訪れる人は少なく、ひっそりとしています。
当社の社叢や神事、御神田の視点からカメラ片手に訪れてみてはいかがでしょうか。
御朱印情報
(猿田彦神社) (佐瑠女神社)
受付時間 |
8時30分〜17時30分 |
拝受場所 |
お札授与所 |
初穂料 |
300円 |
当社御朱印帳 |
なし |
備考 |
通常は猿田彦神社の社殿の左手にある授与所での拝受かと思いますが、私は佐瑠女神社?の授与所にて頂きました。 |
猿田彦神社を参拝して
(朝から賑やかな社頭)
伊勢神宮の内宮から徒歩15分程の場所に鎮座する猿田彦神社は、内宮参拝のついで参拝に最適です。私は内宮の早朝参拝に続いて当社を訪れました。
(列をつくる佐瑠女神社の授与所)
令和元年初日とあって朝から多くの人出があり、御朱印を求める人の長い列ができています。
人のいない社殿を撮ることはできなかったのですが、参拝者の砂利を踏む音が心地良く、つい境内のベンチで寝てしまいました。
当日は内宮の早朝参拝に先立ち、午前1時ごろからずっと立ちっ放しだったため相当疲れていたのです。
左)独特な形を成した境内の大木
それはともかくとして、当社の独特な建築様式である「さだひこ造り」を拝見できたことが嬉しかったです。祭神の神徳にちなみ境内の石柱や鳥居の柱、手水舎の柱も八角形となっています。よく見ると神社建築の象徴でもある鰹木(かつおぎ)も八角形です。注意してみれば、他にもあるかも知れませんね。
(手水舎と鳥居も八角形)
さて、私は八角の印章を押印した御朱印帳を携え、次なるお宮を目指します。
伊勢の旅はまだまだ続きますよ。