杜の中の閑話室

神社を求め、ただ一人。山へ海へ里を歩く紀行譚!

【高知】土佐国一宮「土佐神社」の見どころと御朱印

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【2018年8月14日(火)奉拝】

土佐国の一宮「土佐神社」(高知市一宮しなね)は、元亀元(1570)年に長宗我部元親公が再建した社殿(本殿・幣殿・拝殿)が現存しており、拝殿と幣殿内の列柱が美しい、国の重要文化財です。

私は全国の一宮を紹介した本を開いて、文化財的価値を知るとともに、土佐神社独特の建築様式に目を奪われました。いわゆる、ゾッコンというやつです笑。

ただ、香川からの出発で同じ四国内と言っても、高知自動車道のトンネル22本という疲労感この上ない高速に気が重く、中々参拝することが出来ずにいました。それでも、土佐神社の写真を再三見るたび、参拝したい気持ちが高まり、今回ようやく重い腰を上げ参拝に至った、という経緯なのです。

 

 


さて、高知ICを降りて10分程でしょうか。
割とアクセスの良いところに土佐神社はあります。

因みに、鎮座地一宮の読みは「いちのみや」ではなく、「いっく」と読みます。

最寄駅はJR土佐一宮(いっく)駅から徒歩15分程ですが、他の神社も廻るのであれば断然車の方がオススメですね。神社めぐりの効率も良く、また社殿の近くに広い駐車場があり、ゆったり停められます。

 

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一の鳥居の前には楼門があり、この楼門から参拝スタートです。

その前にちょっとお勉強。
右手にある社号標に「国幣中社 土佐神社」と記されてますね。


国幣中社(こくへいちゅうしゃ)は、神社の等級や格式を表す、明治期に作られた「近代社格制度」の一つです。

皇室から幣帛(へいはく・神前に献げるものの総称)がお供えされる官幣社(かんぺいしゃ)と国庫からお供えされる国幣社(こくへいしゃ)に分けられ、それぞれ「大社」「中社」「小社」があります。

神道辞典」によりますと、その順位は、
《①官幣大社国幣大社官幣中社国幣中社官幣小社国幣小社 
の順になりますので、「土佐神社」の国幣中社は上から④番目に当たります。

ただ、それぞれの順位に明確な規定は無いようです。それでも、明治期に全国20万社以上存在した中から、約190社ほどの一社ですので古くから格式があるのは間違いないですね。

さて、ちょっと賢くなったところで、ここにある楼門(神光門)もまた国の重要文化財に指定されています。寛永8(1631)年、二代藩主山内忠義の建立になります。楼門に見られるきらびやかな彫刻は無いので、和様の建造物になります。

 

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随身像は最近彩色したのか、新しく見えます。

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門の外から境内を撮影します。
門の内壁をフレームに見立てて撮影する構図は、私の中ではお決まりの構図です。

参道には古木は少ないですが蝉は多く、蝉の合唱が並木道を盛り立てています。

 

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楼門から400m程でしょうか。
一の鳥居へ到着しました。

木造鳥居は周りの樹々とよく合いますので、私の大好物です笑。
こちらの鳥居の手前が駐車場になっているので、やや物足りなさは感じますが、すぐ参拝できるので神社めぐり初心者も容易いかと思います。

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そして拝殿ですね。
先にも記しましたように、長宗我部元親公が再建した社殿で、国の重要文化財に指定されています。そして次の写真、

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土佐神社の公式HPより)

http://www.tosajinja.i-tosa.com

 

幣殿を頭にし、尾っぽは拝の出。
拝殿の左右を翼に見立て、トンボが本殿に向かって飛び込むような独特な建築様式をしています。これを、「入蜻蛉形式(いりとんぼけいしき)」 と呼んでいます。

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社殿の拝殿の前には小さな拝殿があるのですが、社殿内に上がっても参拝できます。
それではちょっと失礼して、

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参拝中の私を横目に、さも悪しきことをすれば噛みつくぞとばかり、真横にいる狛犬が睨みを利かせています。

西洋風に言えば、彼らはガーディアンなのです笑。


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拝殿の上から振り返って、境内の景色を撮りました。
参拝を終え、境内の散策開始です!

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写真では伝えられないほど、古木の列柱は素敵です。
私の想像は遥か遠いギリシアまで飛翔し、パルテノン神殿まで視界に入るほど・・・。
かなり大袈裟ですが、それでも心踊るものがありました。

因みにこのような長い拝殿は、美保神社島根県松江市美保関町)や新宮熊野神社福島市喜多方市慶徳町)などで見られます。

特に後者はオススメなので、興味があれば是非調べて見てください。

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本殿は寂れた拝殿・幣殿と異なり、朱塗りが美しい。

神社によっては、本殿の近くまで拝観できる神社とそうでない神社があります。鹿島神宮茨城県鹿嶋市大字宮中)の本殿は、装飾が美しくもっと近くで拝観したいものですが、塀があり、土佐神社ほど接近できないのが残念です。

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本殿をぐるりと廻ると中々趣のある絵馬殿があります。
こちらも拝観無料です。ただ、割と最近のものが多く、数もそう多くはないので少々物足りない気がします。貴重なものは宝物殿にでも置いているのでしょうか。

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こちらの鼓楼(ころう)も土佐神社の見所の一つです。
慶安2(1649)年、二代藩主山内忠義の建立で国の重要文化財に指定されています。古びた白木色の多い土佐神社の境内で、この鼓楼はよく目立っています。

鼓楼は、寺院に置かれる鐘楼(しょうろう)と同じく時を知らせる建造物として、鐘楼は鐘に対し、鼓楼では大太鼓が設置されています。

ただ時報はお寺が中心なのか、私の経験では神社ではあまり見かけません。
東京の大国魂神社東京都府中市宮町)ぐらいですね。


最後に御朱印を頂きましょう。

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細身の線で丁寧に揮毫して下さいました。


最後になりますが、土佐神社は建築美はもちろん、境内の杜も非常に素晴らしいものがありました。四国の一宮では、私は断トツで当社推しです。

ここに参拝するだけで、日頃の穢れが祓われたような、洗心された気持ちになれます。
高知にいらした際は是非寄って下さいね。

さて、旅はまだ始まったばかりです。

腹ごしらえを済ませ、次なる神社を目指します!