【2019年1月23日(水)奉拝】
香川県仲多度郡まんのう町に鎮座する「天川神社(あまかわじんじゃ)」は、興台産霊命(こごとむすひのみこと)と天児屋命(あめのこやねのみこと)、酒部黒麿命(さけべくろまろのみこと?)を祀る神社です。天平2(730)年創祀。
社叢は300種に及ぶ植物に加え、樹齢700年といわれる杉の巨木があり、国の天然記念物に指定されています。
アクセス
※車
・高松自動車道「善通寺IC」から約25分。
・徳島自動車道「美馬IC」から約25分。
(駐車場あり)
見どころ
天川神社の見どころ、3箇所あります。
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⑴石垣
⑶天川神社社叢(国指定天然記念物)
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⑴「石垣」 技術の高い工法?
社殿の石垣は「亀甲積み(きっこうづみ)」という工法で積まれています。
この種の石垣は、見た目が美しく崩れにくいメリットがあるものの、石を加工し積み上げるのに技術が必要なため、あまり高い石垣は築けないという特徴があります。
そして当社の石垣には、「福助」や「おたふく」などを施しており、石工の技術はもちろん、参拝者の目を和ませてくれます。
(福助) (天狗) (虎)
(力士) (大黒) (???)
(恵比寿) (おたふく)
⑵「玉垣の狛犬」 小さき守護神
社殿の前の玉垣には、小さな狛犬が蹲踞しています。
そして神前を唯一守護しているそのミニマムな狛犬に、どこか愛嬌を感じずには入られません。
おそらく玉垣を加工して作ったのではないでしょうか。
もしそうなら「日光東照宮」(栃木県日光市)や「岩木山神社」(青森県弘前市)ぐらいでしか私は確認できていません。
それが別段珍しいケースとは言わずとも、ユニークなその姿についカメラを向けてしまいます。もっとも、両社は「逆立ち狛犬」というケッタイな奴なんですけどね。
⑶「天川神社社叢」 国指定天然記念物
讃岐山脈を代表する現存植生として、学術上貴重な鎮守の森です。
高木層のスギやアカマツから亜高木層、低木層、シダやコケ類まで約300種もの植生が確認でき、香川県下屈指の豊富さを誇っています。
社頭を横切る国道438号線は、樹齢約700年の「三本杉(写真中央より右)を避けて作られました。
この道路は香川と徳島美馬をつなぐ主要な国道で、信号も少なく車がビュンビュン通ります。特に三本杉付近は視界が悪くカーブにもなっているので、写真撮影の際は十分注意して下さいね。
天川神社を参拝して
神社への下調べを行うとき、私は国指定天然記念物の社叢や巨木リストなどの情報を参考に訪問する神社を決めることがあります。今回はまさにそのケースです。「三本杉」のある二分した場所は、子どものころ以来の久々の訪問となりました。
また、石垣や社殿前の狛犬、台座が亀の石灯籠など、他社ではあまり見かけない見どころがあります。
(亀の石灯籠) (力士が支える滌身盤てきしんばん、「滌」は禊の意)
このように付属物を一つ一つ記録しデータを収集していくと、それぞれの形の種類やデザインなどが見えてきて面白いものです。
私は特に鳥居が好きなのですが、あなたは神社のどんなところが好きですか。周りから見れば大したことないものが、ある一つの分野を徹底的に極めることで、斯界の大家にだって成り得ます。
あなただけの神社の見どころを探してみましょう。