【2019年4月29日(月)奉拝】
三重県伊勢市に鎮座する「官舎神社(かんしゃじんじゃ)」は、建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)と経津主神(ふつぬしのかみ)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)を祀る神社です。
境内には国史跡の離宮院跡があり、現在は公園として整備されています。神宮(外宮)からは4キロほどの距離にあり、天皇に代わって奉仕した斎王の宿舎として神宮と所縁のあるホットスポットです。
アクセス
※電車
・JR参宮線「宮川駅」から徒歩約5分。
( 離宮院跡へは徒歩1分)
※車
・伊勢自動車道「玉城IC」から約15分。
(駐車場あり)
見どころ
官舎神社の見どころ、2箇所あります。
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⑴官舎神社
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境内案内と離宮院跡配置図
(出典:「離宮院跡案内板」より)
⑴「官舎神社」 神宮と離宮院
伊勢神宮から4キロ程の場所に鎮座する「官舎神社」は、JR参宮線「宮川駅」近くの離宮院公園に鎮まります。
耐久年数の短さから敬遠される白木鳥居(樹皮を剥いで化粧仕立てしたもの)ですが、伊勢神宮の鳥居が白木を採用していることから、白木鳥居は伊勢地方に多くみられます。
鳥居はともかくとして、本殿も神明造(しんめいづくり)という伊勢に多い建築様式で建てられています。これは、当社が鎮座する離宮院と神宮の縁も起因しているものと思われます。
⑵「離宮院跡(国史跡)」 離宮院公園
官舎神社が鎮座する「離宮院跡(りきゅういんあと)」です。
離宮院は、斎宮(さいくう)から神宮に向かわれる斎王(さいおう)が途中お泊まりになる御殿でした。もう少し分かりやすく言うと、「天皇の代わりに伊勢神宮に奉仕されていた女性(斎王)が、伊勢神宮へ向かうためにお泊まりする宿舎(離宮)」ということになります。
斎王の御殿は、延暦16(797)年に造営され、斎王制度が廃止される鎌倉時代?まで存続しました。
ちなみに、神宮から10キロ以上も離れた場所に斎宮(斎王の住まい)を造営したのは、斎王がお参りすることを周囲に知らせ、朝廷の権威を示す必要があったからだと言われています。
明治期に参宮線が敷かれるまでは、大変広大な場所でした。
八脚門や土塁の遺構もありますが、素人目線ではその姿を確認することはできませんでした。ただ現在は「離宮院公園」として整備されており、たくさんの木々と梅林とともに憩いの広場として親しまれています。また、公園内には官舎神社を含め「皇大神宮遥拝所」もあり、普通の公園とは異なる厳かな雰囲気に誰もが気付かされるでしょう。
自然豊かな離宮院公園には、駐車場に加え、ベンチやトイレも完備していますから、ウォーキングやお子さんを連れてピクニックなどにも良いと思います。
御朱印情報
(官舎神社)
受付時間 |
9時00分〜17時00分(参考) |
拝受場所 |
社務所(授与所) |
初穂料 |
300円 |
オリジナル御朱印帳 |
不明 |
備考 |
・御朱印受付時間は不明ですので、一般的な受付時間を参考として記載しました。 |
官舎神社を参拝して
(伊勢市初日は外宮の混雑具合を下調べ)
人生初の伊勢神宮と銘打った伊勢旅行初日は、4月30日の外宮参拝へ向けた準備として伊勢周辺を散策しました。そのようななか、国史跡・離宮院跡なる看板に心踊り、誘われるように足を運んだのが官舎神社です。
(離宮院公園の参道に連なる白い鳥居)
境内には白い砂利が敷かれており、この砂利と白木の鳥居が神宮を彷彿とさせます。そして、これから神宮を目指す私の高揚感はきっと神職の方にも伝わっていたでしょう。
(官舎神社社殿正面) (拝殿の神額)
「1ページ目と2ページ目は外宮と内宮の御朱印を頂こうと思いますので、3ページ目にお願いします!」
(神宮林用材の御朱印帳に初めて墨が入る)
御朱印帳の1ページ目に内宮、2ページ目に外宮と続けて押印する法を好しとする風潮が神職の中にあることを知っていたので、この一言は我ながら大層特別感があり嬉しかったのを今でも鮮明に覚えています。
さて宮司との話に花が咲くなか、御朱印は隣町の「田丸神社(度会郡玉城町)」でも頂けるとのことなので、手にしたマップを携え、次なる訪問地を目指しました。
(官舎神社社頭)
旅は気まぐれ風まかせとでもいうのでしょうか。
次の電車まで約30分。
焦ることなかれ、慌てる勿れー。
今始まる伊勢の旅、時間はゆったり流れています。
(到着した田丸駅で別れを告げる)