【2019年6月5日(水)奉拝】
滋賀県大津市に鎮座する「
- 基本情報(アクセス・拝観時間・拝観料など)
- 境内案内図
- 見どころ
- ⑴「境内」 すみずみまで清められた境内
- ⑵「権殿」 古制を伝える社殿
- ⑶「女神像」 日本武尊の御妃
- 御朱印情報
- 昭和初期の建部大社(絵はがき)
- 建部大社を参拝して
基本情報(アクセス・拝観時間・拝観料など)
社名 |
建部大社(たけべたいしゃ) |
鎮座地 |
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電話 |
077-545-0038 |
祭神 |
【権殿】大己貴命(おおなむちのみこと) |
創建 |
景行天皇46(116)年 |
アクセス |
【自家用車】名神高速道路「瀬田西IC」より3分。 「瀬田東IC」より5分。 【バス】 JR「石山駅」南口 瀬田石山線 瀬田駅行き「建部大社前」下車。 JR「石山駅」南口 瀬田石山線 野郷原行き「建部大社前」下車。 JR「石山駅」南口 牧口行き「建部大社前」下車。 |
駐車場 |
参道周辺に大型駐車場完備(約70台) |
あり |
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開門時間 |
5時〜17時 |
拝観料 |
無料 |
国指定重要文化財=木造女神坐像(附 木造小女神坐像2軀)、石灯籠 |
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その他 |
宝物殿9時〜16時。拝観料200円。 (拝観は事前に要確認) |
境内案内図
《建部大社公式HPより》
見どころ
⑴境内
⑵権殿
⑶女神像(国指定重要文化財)
⑴「境内」 すみずみまで清められた境内
神門をくぐると視界は大きく広がります。
整備された参道が本殿前の中門まで続いており、その周囲には砂利が敷かれ、踏みしめるたび「ジャリジャリ」と軽やかな音が響きます。
神社に砂利を敷くのはその踏みしめた音から邪気を払うとか、雨天時の泥はね防止や、単純に雑草を生えにくくし聖域に相応しい景観を作るためです。
よく見ると熊手で掃いた跡がそこかしこにありますね。
まさに今掃き清められたところなのでしょう。
その清浄たるや踏み込んでしまってはいけないような気さえする程です。
本殿と権殿の両脇には当社の祭神である日本武尊に所縁のある摂社とその他の末社がずらりと並んでいます。
砂利の音にも耳を傾けながらそろりとお参りしましょう。
⑵「権殿」 古制を伝える社殿
向かって左に主祭神・日本武尊の本殿があり、右に後に勧請された大己貴命を祀る権殿があります。
その権殿とは、社殿を造営する際に一時的に祭神を移しておくための仮の社殿のことです。京都の上賀茂神社などがよく知られており、
ただし当社の場合は、権=「仮の」ではなく「次の」という意味合いで使われております。
つまりここでの権殿は、「本殿に次ぐ第二の本殿」となります。
このような意味合いで権殿の名称を用いたところは、他社では類がありません。もし他にも在るのなら、是非とも社殿の構成とともにお目にかかりたいものです。
また日本武尊の本殿(本社)に次ぐ第二の本殿として、同大同型の建造物を建てたのは、古くから厚く崇敬されている現れなのでしょう。そして一つの建物に複数の祭神を祀る近年のスタイルではなく、一宇一柱(一つの建物に一柱の祭神)の古制をも伝えております。そういう意味では由緒ある大社らしい社殿といえますね。
ちなみに、社殿の背後にはさざれ石と珍しい菊花石があります。
透塀の間から投銭するスタイルはユニーク!お試しあれ。
⑶「女神像」 日本武尊の御妃
《『建部大社参拝のしおり』より》
建部大社の社宝には、日本武尊の御妃と伝えられる木造の女神像があります。
正面の一際大きな像は袖で口元を隠す仕草をしており、平安時代の上品な女官を彷彿とさせます。その表情は一見すると穏やかにも見えますが、内に閉ざした心は恥じらいのようにも見えます。それとも哀しみでしょうか。
一説には日本武尊を亡くしたことに嘆き悲しんでいるのではないかとも言われています。言われてみれば、周囲の子どもと思しき2体はやや下を見て、心なしか沈痛な面持ちのようにも見えます。
あなたにはどの様に見えますか。
これら平安時代の女神像は、神像の中でもよく知られている存在でして、時おり神社史の中でも登場します。一本の木から製作される神像が多い中、
女神像は宝物殿にて拝観できます。ただ他館へ貸し出している場合がありますので、事前に確認しておけば安心です。拝観には事前予約が必要ですから、こちらもお忘れなき様。
※宝物殿については、当記事の基本情報を参照。
御朱印情報
(建部大社)
受付時間 |
8時30分〜17時 |
拝受場所 |
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初穂料 |
300円 |
オリジナル御朱印帳 |
あり |
備考 |
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昭和初期の建部大社(絵はがき)
今から80年ほど前に建部大社の社務所が発行した昭和初期の絵はがきです。
昔は建部神社と呼ばれていました。ちなみに、右の道は瀬田の唐橋へ続く県道2号線です。
建部大社を参拝して
《近江名所「瀬田の唐橋」》
どんよりと曇った曇天模様のなか、眠ぼけ眼をこすりながら近江の旅へ歩みはじめます。平日の旅行となったこの日は、初めて訪れた部外者の私でも日常の気忙しさを感じるほど。電車に乗れば学生と出くわし、スーツを身にまとったサラリーマンもいます。
こんな中私は神社へ向かい、「瀬田の唐橋」で往来する人や車とすれ違うたび、こんな自分で良いのだろうかと自問するほどです。そうこうしながら、最初に踏み込んだ神域が近江国一宮「建部大社」でした。
《建部大社への入口》
建部大社は近江国で最も社格が高い一宮です。それが古代の社格であっても現在でも大きな存在感を示しているように感じます。そして当社では古制を保持しつつも時代や環境に則し、新しくしていくという考えがあるようです。
《劇画風に描かれた日本武尊と人感センサー付きの手水舎》
参道には日本武尊を劇画風のタッチで紹介するなど参拝客の目を引く工夫が施されています。他にも人感センサーを付けた手水舎や、観光案内書の充実ぶり、極め付けは本殿と権殿の地下に耐震装置まで備え付けるほどです。
《手入れの行き届いた神池は最近作られたものではない》
すみずみまで掃き清め整備された境内はちょっと作り過ぎている感が否めないものの、人の手と懐があってこそ次に伝えるものがあります。そういう意味では、他社よりも力を入れていますね。
駐車場から本殿までの距離が近く、神社に多い石段もありません。その点は車椅子の方や高齢の方でも参拝しやすく、30分もあれば十分見て廻れます。また一日に多くの寺社を廻る人にも打ってつけの神社と言えるでしょう。
比叡山延暦寺や日吉大社なども近いので、近江観光として合わせて参拝されることをおすすめします。
アクセスがいいから車でも徒歩でもサクッと参拝できますよ!