杜の中の閑話室

神社を求め、ただ一人。山へ海へ里を歩く紀行譚!

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

三重ひとり旅vol.3 鳥羽市「伊射波神社」

いつだったか鳥羽の古い絵葉書が手元にあった。それは上部に写真が印刷され、下部には海藻を貼り付けた海藻標本と称される絵葉書である。発行から100年近く経っても海藻の天然色は健在で、印刷された白黒写真とのギャップが面白い。あたかも戦前の白黒写…

三重ひとり旅vol.2 志摩市「伊雜宮」

6時37分 勢田(せた)川の橋上より まだ夜の明けぬ暗がりの中、伊勢市の快活クラブを発った。 国道23号線の大きな道にまだ車の往来は少なく、野良猫が横切るようにぴゅうと渡ろうと思えば渡れるが、あえて遠回りに陸橋を使った。田畑の道をひたすら歩い…

三重ひとり旅vol.1 鈴鹿市「都波岐奈加等神社」

2024年は実に悲惨なはじまりであった。 元旦の祝いの最中能登半島で大きな地震が発生し、二日目には被災地支援に向かう海上保安庁の航空機と日本航空機が衝突。焼ける街並みも航空機の炎上もたちまち世界をめぐり、国内外悲しみに暮れる新年の幕開けとな…

広島ひとり旅vol.1 福山市「素盞嗚神社」

清音で井原鉄道神辺行きへ乗り換える 社務所は9時に開くらしい。言わずもがな、これの12時間前に訪問し、境内を散策して拝受する。この旅は先の「吉備津彦神社」同様再訪になるから、昔を想いつつも今までとは違うルートで向かいたいと考えていた。したがっ…