杜の中の閑話室

神社を求め、ただ一人。山へ海へ里を歩く紀行譚!

東北の神社

山形ひとり旅vol.1 西置賜郡白鷹町「諏訪神社」

新庄で山形行きに乗り換える 秋田と山形に茅葺の宮があると聞いて東北へ来たけれど、本数が少ないのはともかくとして、乗り換えに1時間も掛かるなんて話は聞いてない。いつぞやか、「岩木山神社」を訪問した時もそうだ。弘前から秋田や男鹿に赴き、ひいては…

秋田ひとり旅vol.1 横手市「波宇志別神社神楽殿」

大曲で下車後、レンタカーを利用する 秋田という場所が東北の何処よりも他郷と思うのは、初めて出向いた場所が男鹿半島だったからかもしれない。そこで見た来訪神と思しきなまはげの何とバラエティ豊かなこと。同じ国でもこうも相違があるとは。あの当時の写…

秋田ひとり旅vol.4 雄勝郡羽後町「三輪神社」

三輪神社社頭 横手の西方に「波宇志別神社神楽殿(はうしわけじんじゃかぐらでん)」という壮大な殿がある。神楽殿ながら柱が太く、さながら正殿とも言えるような存在感がたまらない。その上周囲の緑とのコントラストがまたいい味を醸し出している。これを是…

秋田ひとり旅vol.3 仙北市「金峰神社」

JR田沢湖駅へ到着 田沢湖の宿とは、田沢湖と言う土地(あるいはその近辺)にある宿という意味である。 東京の人間が地名(地名かどうか怪しいのもあるが)を駅名で言うように、上京8年ともなると地名を駅名で呼ぶ癖がついてしまった。だから前日に訪れた「…

秋田ひとり旅vol.2 秋田市「古四王神社」

30で故郷を発ち、遠くみちのくを旅した江戸後期の旅人・菅江真澄(すがえますみ)は、76で没するまで一度も故郷に帰ることはなかった。その終焉は現仙北市の角館とも梅沢(田沢湖町)とも言われているが、地誌を書き終えた文政12(1829)年6月か…

秋田ひとり旅vol.1 秋田市「日吉八幡神社」

秋田県立博物館 山形を訪れてから益々東北に興味が湧き、江戸時代の旅人・菅江真澄(すがえますみ)との出会いをきっかけに私の秋田行きが決まった。新宿から高速バスで秋田へ入り、「秋田県立博物館」の菅江真澄資料センターへ訪問。そののち秋田市街に鎮座…

山形ひとり旅vol.3 南陽市「熊野大社」

赤湯の宿から 翌日赤湯の宿で目を覚ました。 日の出前のまだ薄暗い中で遠くの宅地の壁に回転灯が反射して光っているのが見えた。人が町が起きる前に除雪しようということで早朝から除雪車が繰り出しているのである。しばらくすると小型の除雪機を持って駐車…

山形ひとり旅vol.2 飽海郡遊佐町「鳥海山大物忌神社(吹浦口ノ宮)」

遊佐(ゆざ)と比し、吹浦(ふくら)の雪は随分少ないように見えた。 蕨岡の雪山を歩いたから目が慣れたというのもあるだろう。 吹浦駅へ到着 私は吹浦駅でホットココアを買い求め、暫し暖を取ることにした。それにしても寒い。無人駅とあってか暖房器具は一…

山形ひとり旅vol.1 飽海郡遊佐町「鳥海山大物忌神社(蕨岡口ノ宮)」

「鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮」の最寄駅 遊佐駅 社会人となった今も雪にときめいて、私は山形の遊佐(ゆざ)という町を訪れている。 ただこの旅は雪がメインではなく、どちらかといえば都会の喧騒から逃れたいという思いが強かった。だから別に小馬鹿にする…

岩手ひとり旅vol.4 奥州市「駒形神社」

遠野に別れを告げたはずなのに、まさかこんな形でご縁があろうとは。 …というと大袈裟なのだが、私はこの岩手旅を2部作のように、初日を遠野「早池峯(はやちね)神社」「荒神(あらがみ)神社」「六神石(ろっこうし)神社」、二日目に陸中国一宮「駒形神…

岩手ひとり旅vol.3 遠野市「六神石神社」

荒神神社の近くを流れる中沢川の川畔を登ると「六神石(ろっこうし)神社」というお宮がある。当社は遠野三山の一つ、六角牛山(ろっこうしさん)の麓に鎮まり、住吉三神・息長帶比売命・大己貴命を祀る。 中沢川沿いを進む 荒神神社からは車で5分ほどで、…

岩手ひとり旅vol.2 遠野市「荒神神社」

「いやぁ、おかげさまで快適でした。 レンタサイクル も利用したいのですが、よろしいでしょうか…」 駅前の観光案内所 レンタカーやレンタサイクルを利用できる 受付の人が、一瞬えっ⁈ と固まったように見えたのは私の被害妄想か。 それもそのはず、8時30…

岩手ひとり旅vol.1 遠野市「早池峯神社」

標高460メートルに鎮座する「早池峯(はやちね)神社」は、遠野市街の北方早池峯の麓に坐すお宮である。 早池峯神社社頭 民俗学者・柳田國男が書いた『遠野物語』とゆかりのある神社で、「座敷わらし祈願祭」という風変わりな祭事が行われることでも知ら…

青森・秋田ひとり旅vol.3 男鹿市「真山神社」

閲覧注意? 「なまはげ館」における各集落のなまはげたち 年の瀬迫る大晦日。男鹿半島の村々になまはげが現れる。 「ウォォォー!」けたたましい声と四股の音。それに凄まじい形相の鬼のような面を着けたなまはげが、「泣ぐ子はいねがー、怠け者はいねがー」…

青森・秋田ひとり旅vol.2 男鹿市「赤神神社五社堂」

JR羽越本線 羽後牛島駅 弘前を後に秋田入りしたのが17時22分のこと。秋田駅から約40分の乗り換え時間を要し、一駅羽後牛島駅へ到着したのが18時06分だった。なぜわざわざ一駅先まで行くのかというと、駅近に宿泊先となる漫画喫茶「快活CLUB」があ…

青森・秋田ひとり旅vol.1 津軽国新一宮「岩木山神社」

岩木山神社社頭 いつの頃からか全国にある一宮の神社を中心に全国を旅すると題して、あちこちを廻るようになった。一宮とは、平安時代に編纂された『延喜式神名帳』に記載された諸国の中で最も有力な神社のことである。例えば、武蔵国なら埼玉の氷川神社、相…