杜の中の閑話室

神社を求め、ただ一人。山へ海へ里を歩く紀行譚!

2024-01-01から1年間の記事一覧

山形ひとり旅vol.1 東置賜郡高畠町「安久津八幡神社」

念願の阿久津八幡神社へ 来年の岡山移住が現実味を帯びて、私の旅も大きく転換する。これまでより東北や関東が遠くなるのは明白なので、今の内に行ける所は行っておこうと思う。そうして思案したら、いつぞやかの茅葺の神社を思い出した。その社こそ山形は高…

千葉ひとり旅vol.3 長生郡長生村「一松神社」

残業明けに違和感を感じたら、どうもコロナウイルスに罹ってしまったらしい。夜半の悪寒にはじまり、発熱や倦怠感、喉の痛み、後に咳が止まらなくなって、昨年咳喘息で呼吸器内科にかかった医師の言葉を思い出した。 「今後風邪などがトリガーとなって再発す…

千葉ひとり旅vol.2 館山市「安房神社」

猛暑の中、潮留橋停留所で安房白浜行きのバスを迎える 洲崎神社から安房神社へ行くにはバスが便利である。「洲の崎神社前」から館山駅行きのバスに乗り、「潮留橋」で安房白浜行きへ乗り換え車窓を眺めること15分。「安房神社前」より徒歩10分ほどで社頭…

千葉ひとり旅vol.1 館山市「洲崎神社」

木更津の快活で前泊 大きな社殿に古い殿舎。それを取り巻く豊かな緑。そんな自然溢れる景観で、尚且つ自分好みの神社は全国を探してもそうそうない。一番大事なのは、「私がその神社(景観)を見た瞬間行きたいと思えるかどうか」だ。その捜査網を全国まで拡…

山口ひとり旅vol.1 防府市「玉祖神社」

防府駅前にある俳人種田山頭火の像 防府2日目に再びカメラを向ける。昨日は夕日に照った山頭火の顔も今朝はやや涼しげである。朝から早々とレンタサイクルを利用し、山頭火の句碑と周防国一宮「玉祖神社」を目指す旅に出掛けた。何を隠そうここ防府は俳人種…

長崎ひとり旅vol.2 対馬市「和多都美神社」

「ビジネスホテルつたや」で宿泊 神社の側で宿が取れて良かった 昨日送迎までの待ち時間に買った「かすまき」は結局口にせず、家に持ち帰ることにした。賞味期限とかサックの中で潰れてしまうことも危惧したが、まあ大丈夫だろう。そんなことより、今日の雨…

長崎ひとり旅vol.1 対馬市「海神神社」

フェリーちくし 4時45分。対馬へと着岸した。 遂に対馬というところだが、誰からも歓迎されることなく、フェリー乗り場を除いては未だ深い夜が広がっている。おまけに暗いばかりでなくただただ寒い。ふうと息を吐くと僅かに白くなった。携帯には12度と…

福岡ひとり旅vol.1 福岡市「筥崎宮」

対馬旅の旅程(一部) 県都に寄らず、ちゃんぽんもカステラも口にせず、島を訪れただけで長崎へ行ったと言うともやもやするが、まあ細かいことは抜きにして、一応この旅を終えれば全国制覇まで沖縄を残すのみとなる。長崎の一宮は2社とも島に鎮座しており、…

埼玉ひとり旅vol.1 さいたま市「氷川女體神社」

真岡駅前発の関東自動車 石橋行きへ乗車する レンタサイクルの窓口探しで遅れをとった真岡駅での一件が、次なる訪問地へ影響を及ぼし、調べずに買った鉄道の切符は、後々バスの方が早いと知って手放した。別段切羽詰まった状況ではないが、せっかく旅程を組…

栃木ひとり旅vol.1 真岡市「中村八幡宮」

快活のある玉戸へ到着 アフターファイブに自宅に戻りて、茨城は玉戸へ向かう。 宇都宮線の車両故障とあって、湘南新宿ライン見合わせの難には遭ったが、無事に今旅の前泊地玉戸へ着いたこと、ほっと胸を撫で下ろした。目的地が真岡にも関わらずわざわざ玉戸…

奈良ひとり旅vol.3 吉野郡吉野町「吉野山口神社」

ひかり食堂 大和上市まで行って遅めの昼食に中華そばをすする。 ここは駅前にある「ひかり食堂」という大衆食堂である。何でも寅さんも来た知る人ぞ知る店らしい。看板からして既にレトロで、入り口に設けたタイル張りのショーケースといい、食品サンプルと…

奈良ひとり旅vol.2 高市郡明日香村「飛鳥川上坐宇須多岐比売命神社」

飛鳥駅でレンタサイクル開始まで待機 天候は晴れ 一夜明け昨日のリベンジと飛鳥へ向かった。 寒気の影響で気温は1度しかなく、吐く息は白い。外のベンチは霜が下りて氷のようにキンキンになっている。私は再び駅舎へ戻り、レンタサイクルの営業開始まで駅の…

奈良ひとり旅vol.1 桜井市「大神神社」

大神神社の帰り道 快活クラブを目指す 寺川のほとりをぽつりぽつりと歩いている。朝から降り続いた雨もようやく止んで、もう少しで日も出ようかというところ。ただ舗装されていない川の辺は未だ盛大にぬかるんで、転倒こそしないもののぬるりと滑り、たちま…

三重ひとり旅vol.3 鳥羽市「伊射波神社」

いつだったか鳥羽の古い絵葉書が手元にあった。それは上部に写真が印刷され、下部には海藻を貼り付けた海藻標本と称される絵葉書である。発行から100年近く経っても海藻の天然色は健在で、印刷された白黒写真とのギャップが面白い。あたかも戦前の白黒写…

三重ひとり旅vol.2 志摩市「伊雜宮」

6時37分 勢田(せた)川の橋上より まだ夜の明けぬ暗がりの中、伊勢市の快活クラブを発った。 国道23号線の大きな道にまだ車の往来は少なく、野良猫が横切るようにぴゅうと渡ろうと思えば渡れるが、あえて遠回りに陸橋を使った。田畑の道をひたすら歩い…

三重ひとり旅vol.1 鈴鹿市「都波岐奈加等神社」

2024年は実に悲惨なはじまりであった。 元旦の祝いの最中能登半島で大きな地震が発生し、二日目には被災地支援に向かう海上保安庁の航空機と日本航空機が衝突。焼ける街並みも航空機の炎上もたちまち世界をめぐり、国内外悲しみに暮れる新年の幕開けとな…

広島ひとり旅vol.1 福山市「素盞嗚神社」

清音で井原鉄道神辺行きへ乗り換える 社務所は9時に開くらしい。言わずもがな、これの12時間前に訪問し、境内を散策して拝受する。この旅は先の「吉備津彦神社」同様再訪になるから、昔を想いつつも今までとは違うルートで向かいたいと考えていた。したがっ…

岡山ひとり旅vol.1 岡山市「吉備津彦神社」

岡山駅東口へ向かう 東京から岡山へ向かう高速バスで、到着が最も早いバスに乗車し岡山駅前に着いた。早朝5時なんての現地入りは駅前といえどもまだ暗く、カラオケでオールした若者のたむろを除けば静寂が漂っている。ただ何より寒い。風のない早朝のしんと…

埼玉ひとり旅vol.2 久喜市「神明神社」

桶川駅東口 大宮から高崎線に乗って桶川まで行き、そこから朝日自動車に乗り換えて神社へ向かう。その神社は、久喜市に鎮座する「神明神社」という。勿体ぶらずに申せば、この宮は小社にしては長い、長すぎる参道が魅力的な宮なのである。 当社の存在をどの…

埼玉ひとり旅vol.1 さいたま市「氷川神社」

埼玉銘菓「十万石まんじゅう」 埼玉は行田に「十万石」なるこの上なく美味な菓子がある。その姿、玉石の如くころんと丸みを帯びて、箱に詰めれば小判の如く収まり、真っ白で艶やかな表面に十万石と焼き印が施してある。皮に包んだこしあんなんて珍しくも何と…

北海道ひとり旅vol.2 旭川市「上川神社」

近文(ちかぶみ)駅 札幌より北へ向かい、岩見沢で乗り換えては近文(ちかぶみ)という駅で下車した。近文とはアイヌ語の「チカプニ」から来ているようで、鳥が集まるところという意味らしい。車内に入る風の冷たさは北へ行くほどに増して、ここ近文を降りて…

北海道ひとり旅vol.1 札幌市「北海道神宮」

新千歳から鉄道に乗り「北海道博物館」を目指す 神社ひとり旅も遂に北の大地に入りて、全国踏破まで長崎、沖縄を残すのみとなった。これ程長く続くのは何より仕事が順調で、心身の健康と経済的余力、それに神社に行きたいという欲求が突き動かすものなんだろ…