陽の光が眩しく暑い、水分補給をしながらバスを待つ 「神宮駅前」から「佐土原岐道(さどわらわかれみち)」へ。 三財川を眺める、目的地へはまだまだ バスで26駅を経由し、そこから重要文化財を有する「巨田(こた)神社」を目指す。到着駅から神社までは…
そもそもは長崎と佐賀へ行く予定だった。 西九州新幹線が開通したからではないけども、神社めぐり全国制覇に向けての訪問であり、有給を使っての4連休はここ!と決めていた。ところがいざ神社を探しても心の琴線に触れる宮なく、せいぜい長崎県下最古級の本…
終点の「山崎」バス停 ここからまた別のバスに乗車して「一の宮伊和神社前」へ向かう 兵庫はバスの旅と言っていい。 西脇市から「青玉神社」へ。姫路から「伊和神社」へ向かういずれの経路は、片道1時間以上もバスに揺られての訪問である。ことに伊和神社へ…
多可町 竜ヶ岳付近を望む 空高く、山々の緑は明暗を分かち、気づけば、人界の大地にも深い影を落としている。 愛用のサックを傍に、窓枠に片肘をついて、車窓から過ぎゆく多可町の景色を眺めながら回想に耽った。ああ、今日も良い旅だった。 道の駅杉原紙の…
まだ人気の少ない朝6時過ぎの三ノ宮 ようやく、ようやくである。 今日まで何度も素通りしてきた兵庫へ、ようやく訪問の至りとなった。いつぞやは兵庫行きのバスを予約しておきながら直前に行き先を変更したり、「名草神社」の改修で訪問時期を逃したりで兵…
ゆずの風味が口いっぱいに広がる高梁銘菓ゆべし バスが高梁へ着いてから、私は山田方谷(やまだほうこく)ゆかりの和菓子「ゆべし」を求めた。 幕末の備中松山藩の財政危機を助く一手として、方谷はゆべしづくりを推奨した一件がある。それにしても、列車の…
第2鳥居 鳥居と整備された参道がなければ、山そのもの 本山山神社から徒歩5分ほどのところに、同社の御神体を遷したという「高草八幡神社」がある。高梁から吹屋行きバスの終点となる駐車場の近くに鎮座しており、近年建てられた白い鳥居がその存在を知らせ…
備中高梁駅 近くには山田方谷の碑もある 岡山への訪問を何がきっかけで決めたのかはまったく思い出せないが、岡山県内の神社をGoogleマップを頼りにしきりに探し回ったのははっきり憶えている。日本最大級の石製鳥居がある県北の「蔀戸神社(かやべ)」やア…
隠岐の海 明くる日、西郷港の岸壁からカメラを構えた。魚の臭気と潮の香りが漂う久方振りの波止場に立ち、対岸のまだ黒き山並みを眺める。風は一切なく、海面は鏡面のように波一つない。表層を漂うアオリイカをしっかりと目視できるほどに、それはそれは静か…
境港から隠岐の島の西郷へ向かう高速船・レインボージェット 屋内から一歩たりとも出られぬような酷暑の中、私はコンビニのイートインを目指し2キロ以上もの道のりを歩いた。境港周辺には安価で手軽な食事処がなかったからであるが、隠岐の島へ行く前に体力…
小野神社 社殿 信濃国二宮「矢彦神社」と「小野神社」は一見すると同じ社地(境内)でありながら、全く別の神社である。矢彦は壮大な神楽殿と神木が存在感を放つ一方、小野は傾斜を生かした庭園が印象に残る。両社とも御柱を有し、拝殿等の型は違えど同じ規…
平田駅駅舎 平田駅を見ると、2年前の1月。寒さでブルブル震えながら列車に乗り込んだあの時を思い出す。あれは安曇沓掛(あずみくつかけ)、「仁科神明宮」を目指したときか。まだ夜の明けぬ暗がりの中駅舎に入り、プラットホームでコーンスープを手に身体…
別所温泉の町並み 私事だが、丁度この頃「日展(日本美術展覧会)」への出品があって随分と懐の寂しい思いをした。今頃は月山に登訪問、ふうっと息をついたり、高山植物を眺めては目を輝かせていただろう。ひょっとすると、悪天候により下山を余儀なくされて…
京都丹後鉄道「網野駅」 10時20分、峰山から一駅。網野からレンタサイクルを利用し、最後の目的地「竹野神社(たかの)」へ向かった。そういえば、この旅を「海の京都」と称して巡拝してきたが、結局海を拝んだのは、この竹野神社へ向かう一遍でしかなかった…
「ひぬまない」という、変わった名前のお宮が峰山にある。 比沼麻名為神社 社頭 白い鳥居に白い砂利、白い社標が目につくこの宮は、村の奥山中にひっそりと佇んでいる。神社特集なんぞで語られぬ知る人ぞ知る宮ではあるが、実は伊勢神宮の外宮こと「豊受大神…
峰山駅の橋上から宮津方面を望む さあ、峰山だ。こんぴらさんだ。 金刀比羅神社と境内にある木島神社 少し遅めの昼食にラーメンをすすり、私は「金刀比羅神社」を目指した。 先にも書いたように、猫も人間も食べられるという風変わりな猫缶を求めて訪問した…
神戸三宮駅 近頃は行き先が決まった後に変更するパターンが多い。 この旅もはじめ兵庫を予定していたものが京都方面へ完全にシフトしてしまった。忘れないようにメモしておくと、元はと言えば加東市の「住吉神社(上鴨川住吉神社)」を第一に訪問し、その後…
岡山といえばこの桃太郎像 桃太郎伝説は「吉備津神社」に由来する 学生時代の友人と久々の会食とあって、早めに五日市を発ち岡山へ向かう。夕刻まで時間があるので、レンタサイクルを利用し「吉備津神社」へ参拝した。当社へは3回目の訪問だが、初見の初詣…
岩屋熊野神社へ自転車で向かう 人吉は熊本の中でも国の重要文化財に指定された建造物が多くあり、先ほど訪問した「老神神社(おいかみじんじゃ)」に加え、「岩屋熊野座神社(いわやくまのざじんじゃ)」もその一社である。私は胸川を横目に自転車を漕いで行…
青井阿蘇神社から老神神社へ、球磨川を渡る この旅のメインイベントこと「青井阿蘇神社」へ参拝し、お土産を買いに「人吉温泉物産館」へ。そして、途中キジ馬が欲しくなり「宮原工芸」へとお邪魔した。まだ日は高く、あらかじめ組んでいた旅程より早いペース…
門前に立つ 「青井阿蘇神社」は人吉駅から徒歩15分ほどの場所に位置し、日本三大急流の一つ球磨川のほど近い所に鎮座している。街中に座しながら桃山時代の建造物が立ち並び、かつ重厚な茅葺屋根がどこか郷愁を誘っている。お寺ともお宮とも言い難いのは、…
十島菅原神社社頭 山田大王神社から南へ自転車を走らせ40分ほど、また茅葺の神社へ参った。 旅が終わっても、結局人吉に茅葺神社が多い理由は分からなかったが、自転車で数社廻れるほど密集しているのは全国でもここぐらいなものだろう。おかげで人吉に密…
九州はとにかく雨が多く、思い返してみても眼鏡橋で雨に打たれ、国東半島で驟雨に当たり、牧聞と新田は台風でおじゃん。博多の住吉も雨であった。 そして今回も、阿蘇熊本空港では横殴りの雨が吹き荒び、禊の雨などと呑気に構えていられる状況ではなかった。…
三輪神社社頭 横手の西方に「波宇志別神社神楽殿(はうしわけじんじゃかぐらでん)」という壮大な殿がある。神楽殿ながら柱が太く、さながら正殿とも言えるような存在感がたまらない。その上周囲の緑とのコントラストがまたいい味を醸し出している。これを是…
JR田沢湖駅へ到着 田沢湖の宿とは、田沢湖と言う土地(あるいはその近辺)にある宿という意味である。 東京の人間が地名(地名かどうか怪しいのもあるが)を駅名で言うように、上京8年ともなると地名を駅名で呼ぶ癖がついてしまった。だから前日に訪れた「…
30で故郷を発ち、遠くみちのくを旅した江戸後期の旅人・菅江真澄(すがえますみ)は、76で没するまで一度も故郷に帰ることはなかった。その終焉は現仙北市の角館とも梅沢(田沢湖町)とも言われているが、地誌を書き終えた文政12(1829)年6月か…
秋田県立博物館 山形を訪れてから益々東北に興味が湧き、江戸時代の旅人・菅江真澄(すがえますみ)との出会いをきっかけに私の秋田行きが決まった。新宿から高速バスで秋田へ入り、「秋田県立博物館」の菅江真澄資料センターへ訪問。そののち秋田市街に鎮座…
赤湯の宿から 翌日赤湯の宿で目を覚ました。 日の出前のまだ薄暗い中で遠くの宅地の壁に回転灯が反射して光っているのが見えた。人が町が起きる前に除雪しようということで早朝から除雪車が繰り出しているのである。しばらくすると小型の除雪機を持って駐車…
遊佐(ゆざ)と比し、吹浦(ふくら)の雪は随分少ないように見えた。 蕨岡の雪山を歩いたから目が慣れたというのもあるだろう。 吹浦駅へ到着 私は吹浦駅でホットココアを買い求め、暫し暖を取ることにした。それにしても寒い。無人駅とあってか暖房器具は一…
「鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮」の最寄駅 遊佐駅 社会人となった今も雪にときめいて、私は山形の遊佐(ゆざ)という町を訪れている。 ただこの旅は雪がメインではなく、どちらかといえば都会の喧騒から逃れたいという思いが強かった。だから別に小馬鹿にする…