【2019年2月10日(日)奉拝】
奈良県天理市に鎮座する「石上神宮(いそのかみじんぐう)」は、布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)を祀る日本最古の神社の一つといわれています。
境内には、国宝社殿が2棟あるほか、神使のニワトリが放し飼いにされています。
国宝の神宝「七支刀(しちしとう)」の御朱印も魅力的であり、最古級の神社に相応しい景観など見どころの多い神社です。
- アクセス
- 見どころ
- 境内案内図
- ⑴「神使のニワトリ」 石上神宮の人気者
- ⑵「楼門(国指定重要文化財)」 鎌倉時代の建築
- ⑶「拝殿(国宝)」 現存最古の拝殿!
- ⑷「摂社出雲建雄神社拝殿(国宝)」 割拝殿の一級建築!
- ⑸「鏡池と遊歩道」 森林浴を愉しむ
- ⑹「石上神宮社叢」 県指定天然記念物
- 御朱印情報
- 石上神宮を参拝して
アクセス
※電車
・近鉄天理線「天理駅」、JR桜井線(万葉まほろば線)「天理駅」
から徒歩約30分。
※タクシー
・近鉄天理線「天理駅」、JR桜井線(万葉まほろば線)「天理駅」
からタクシーで10分弱。
(約1300円)
※車
・名阪国道「天理東IC」から約5分。
・西名阪自動車道「天理IC」から約15分。
(駐車場あり)
詳細はこちら↓
見どころ
石上神宮の見どころ、6箇所あります。
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⑴神使のニワトリ
⑵楼門(国指定重要文化財)
⑶拝殿(国宝)
⑷摂社出雲建雄神社拝殿(国宝)
⑸鏡池と遊歩道
⑹石上神宮社叢
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境内案内図
(出典:「石上神宮公式HP」より一部編集)
⑴「神使のニワトリ」 石上神宮の人気者
境内にある鏡池周辺を中心に、当社が放し飼いにしているニワトリを目にすることができます。
長鳴鶏(ながなきどり)の一種の東天紅(とうてんこう)や、烏骨鶏(うこっけい)、採卵用種のレグホン・ミノルカなど約30羽が棲んでいます。
ニワトリが出没しやすい場所は、鏡池の周辺です。
近づいても逃げないので、子どもからお年寄りまで戯れることができますよ。
境内のニワトリさんの様子
(出典:「wikipedia(石上神宮)」より)
彼らは小動物から身を守るため、夕方暗くなる前に低い木々から順々に高い枝に飛び上がり、そこで一夜を過ごします。ただ、高く飛び上がることができない烏骨鶏やレグホンは、境内に設置された専用の鶏舎が彼らの休息地となります。
実際に木に乗った姿は見ていないのですが、想像するだけでも微笑ましい!
⑵「楼門(国指定重要文化財)」 鎌倉時代の建築
拝殿前のゲートは、鎌倉時代末期、後醍醐天皇(ごだいごてんのう)の文保2(1318)年に建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。
昔は上層に鐘を吊るしていましたが、明治の「神仏分離令」により取り外され、売却されてしまったようです。楼門が建てられた鎌倉時代は、既に神と仏がいっしょくたにされていた時代であり、神社に鐘があっても何ら不思議なことではありません。
簡素な下部に比べて上層に重厚感をもたしたのは、鐘楼としての役目があったからというのも理由の一つなのでしょうね。
⑶「拝殿(国宝)」 現存最古の拝殿!
楼門をくぐった先にある拝殿は、拝殿としては現存最古のものであり、国宝に指定されています。
当社への崇敬が厚かった白河天皇(しらかわてんのう)が、鎮魂祭のために、永保元(1081)年に宮中の「神嘉殿(しんかでん)」を寄進したものと伝えられていますが、建築様式から鎌倉時代初期の建立と考えられます。
拝殿の知っ得ポイント!💡
側廻りの頭貫(かしらぬき)の木鼻(きばな)に、大仏様(だいぶつよう)の繰形(くりかた)を施しているところが鎌倉時代を伝える様式です。
他の社寺と見比べてみましょう。
(画像出典:「コトバンク(木鼻)」より)
最古の拝殿で朝拝に参加できる!?💡
石上神宮では、毎朝8時30分から朝拝の神事が行われています。
通常の参拝では無断で拝殿に上がることはできませんが、この時は国宝の拝殿に上がることが許され、神職の方と参拝できます。
洗心の良い機会です。是非参加してはいかがでしょうか。
詳しくはこちら↓
⑷「摂社出雲建雄神社拝殿(国宝)」 割拝殿の一級建築!
もとは「内山永久寺(うちやまえいきゅうじ)」の住吉社の拝殿でしたが、当寺は神仏分離により廃絶し、住吉社の本殿も放火により焼失してしまいます。その後、拝殿だけが荒廃したまま放置されていたのを、石上神宮の摂社「出雲建雄神社」の拝殿として移築しました。
中央の通路を「馬道(めどう)」といい、このような中央に通路を開く形式の拝殿を「割拝殿(わりはいでん)」と呼びます。この独特な拝殿の形式は、当社のほかに「大神神社(奈良県桜井市)」や「由岐神社(京都府京都市)」が国の重要文化財に指定されているほか、「桜井神社(大阪府堺市)」で国宝指定を受けていますが、文化財指定外で見ても数が少ない建築形式です。
特に当社は、古建築の少ない神社建築の中で、室町時代に建立(鎌倉期に割拝殿へ改築)された貴重な建物なのです。大事にしたいものですね!
⑸「鏡池と遊歩道」 森林浴を愉しむ
境内の鏡池は、古くは「石上池」と呼ばれていました。
池には奈良県指定天然記念物に指定されている「ワタカ」が生息しています。
大正3(1914)年、内山永久寺の本堂池から移したものですが、廃絶した寺院の生き物が代々繁殖し生息していることを思うと感慨深いですね。
遊歩道
鏡池の周辺には遊歩道が整備されています。
冬場は静寂感に包まれ、新緑の時期は青々と茂る葉に覆われます。
四季を通じて散策が楽しめますよ。
⑹「石上神宮社叢」 県指定天然記念物
当社には、日本最古の道といわれている「山の辺の道(やまのべのみち)」が通っていて、昭和42(1967)年に周辺地域を含めて「歴史的風土石上神宮特別保存地区」に、その後境内の一地域が「石上神宮社叢」として奈良県の天然記念物に指定されました。
社殿脇の参道を更に進んだ先に、神職以外立ち入りできない「末社祓戸神社」と「禊場」があります。上の写真は、その入口から撮影しました。
覆い茂る木々に生命力を感じる参道です。
夏に来ればまた違った様相を楽しめるのでは。
御朱印情報
(石上神宮) (七支刀)
受付時間 |
8時00分頃〜17時00分頃 |
拝受場所 |
授与所 |
初穂料 |
(石上神宮)300円、(七支刀)700円 |
オリジナル御朱印帳 |
あり(銅鐸柄1500円)。 |
備考 |
石上神宮を参拝して
前日、橿原の地でインターネットカフェで休息した私は、次なる訪問地「石上神宮」を目指します。
それにしても四国を発って初っ端にもかかわらず、はや足に疲労感が・・・。
少し休めばという期待で宿泊しましたがあまり効果はなく、2社目の石上神宮でもやや疲労感を残しつつの朝拝となりました。
この調子でいくと、3日目とか大丈夫かな。
・・・というより無事に帰京できるのか(汗)。
(石上神宮の社頭へ到着!)
それはさておき、境内には国宝社殿が2棟や重文の楼門、これに加えて足元を傍若無人に闊歩するニワトリの姿があります。御朱印に至っては、国宝の神宝「七支刀(しちしとう)」の印章を押印頂けるとあって、境内にいる間、私は冷静を装いつつも心の内は興奮しっ放しでした。境内はさほど大きくはありませんが、本当に見どころの多い神社です。
(楼門を内側から望む) (出典:「Wikipedia(七支刀)より」七支刀のレプリカ)
当社の印象としては、「実がぎゅっと詰まった果実のよう」です(笑)。
(石上神宮全景)
さて、このブログではくどいほどに何度も書いていますが、神社への参拝は間違いなく早朝がおすすめです。わざわざ喧騒を抜け出して、神域に行こうというのですから、人出が多い時間帯に行っては魅力半減ですよ。
特に当社では、神使であるニワトリさんの心地よいモーニングコールを聞けますから、心身共に浄化してくれること間違いなしです!
(祓所へ我が物のように集まるニワトリの群)
古都奈良には世界遺産「春日大社(奈良市)」にどうしても目が行きがちですが、布留山に鎮まる石上神宮へも、是非訪問地の一つに加えて下さいな。