【2019年2月24日(日)奉拝】
東京都渋谷区代々木に鎮座する「明治神宮(めいじじんぐう)」は、大正9(1920)年11月1日に創建された、明治天皇と昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)を祀る神社です。正月三が日の参拝者数が全国で最も多く、その数約300万人と言われています。
100年後を見通して作られた人工林は、学術的にも貴重な動植物が生息する森へと変貌し、世界にも誇るべき社叢となっています。また、「清正井(きよまさのいど)」や花菖蒲(はなしょうぶ)のある御苑も人気スポットとして名高い。
- アクセス
- 開門時間
- 見どころ
- 境内案内図
- 明治神宮の回り方(モデルコース)
- ⑴「第一鳥居」 明治神宮の入口!
- ⑵「南参道」 メインの表参道
- ⑶「菰樽(こもだる)と葡萄酒樽(ぶどうしゅだる)」
- ⑷「大鳥居」 高さ日本一を誇る木造の明神鳥居
- ⑸「明治神宮社殿」 戦後復興の先駆けとして
- ⑹「宝物殿(国指定重要文化財)」
- ⑺「明治神宮御苑」 明治天皇が愛した名苑
- ⑻「明治神宮社叢」 前代未聞の大プロジェクト!
- 御朱印情報
- 明治神宮歴史データベース
- 明治神宮を参拝して
アクセス
※電車
表参道および「原宿口(南口)」(おすすめ!)
・JR山手線「原宿駅」
東京メトロ千代田線、副都心線「明治神宮前(原宿)駅」から徒歩約5分。
「代々木口(北口)」
・JR山手線「代々木駅」
都営地下鉄大江戸線「代々木駅」から徒歩約5分。
東京メトロ副都心線「北参道駅」から徒歩約5分。
「参宮橋口(西口)」
※車
・駐車場が混雑し入苑できない場合がありますので、
公共交通機関の利用をおすすめします。
(駐車場あり)
どうしても自家用車で参拝する方は、渋滞や混雑も覚悟の上でご利用下さい↓
詳しくはこちら↓
開門時間
明治神宮の開門時間は、日の出から日没の間となっています。
下記は公式HPを参考に作成したものです。
1月 |
6時40分〜16時20分 |
2月 |
6時20分〜16時50分 |
3月 |
5時40分〜17時20分 |
4月 |
5時10分〜17時50分 |
5月 |
5時00分〜18時10分 |
6月 |
5時00分〜18時30分 |
7月 |
5時00分〜18時20分 |
8月 |
5時00分〜18時00分 |
9月 |
5時20分〜17時20分 |
10月 |
5時40分〜16時40分 |
11月 |
6時10分〜16時10分 |
12月 |
6時40分〜16時00分 |
(筆者作成)
※12月31日は終夜参拝できます。
出典元はこちら↓
見どころ
明治神宮の見どころ、8箇所あります。
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⑴第一鳥居
⑵南参道
⑶菰樽(こもだる)と葡萄酒樽(ぶどうしゅだる)
⑷大鳥居
⑸明治神宮社殿
⑹宝物殿(国指定重要文化財)
⑺明治神宮御苑
・別記事参照
⑻明治神宮社叢
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境内案内図
(出典:明治神宮頒布の「まごころ」より一部編集)
明治神宮の回り方(モデルコース)
明治神宮の境内は、東京ディズニーランドより広い70万m2もあります。
私が現地で歩いた参拝ルートを紹介しますので、参考にしてみて下さい。
(出典:明治神宮頒布の「まごころ」より一部編集)
基本的な参拝コースです。
御苑は時期によって混雑状況が異なるので、状況を見て参拝の後での入苑でも構いません。なお、この日の所要時間は、約3時間半でした。
ただ私の場合は、あちこち写真を撮り歩いての所要時間なので、参拝と御朱印のみなら、1時間半もあれば十分だと思います。
しかし、御苑は「清正井」や特に6月に見頃を迎える「花菖蒲(はなしょうぶ)」などの人気のある見どころがありますので、2時間〜3時間程度余裕を持っておくとゆっくり拝観できるかと思います。
⑴「第一鳥居」 明治神宮の入口!
表参道から最初に現れるのが、写真の第一鳥居(一の鳥居)です。
「一の鳥居」とは、すなわち正殿から最も遠い鳥居のことで、正殿に近づくにつれ二の鳥居、三の鳥居と数えます。
北参道や参宮橋にも鳥居がありますが、「南参道」という名の兼「表参道(原宿)」からがメインの参拝道となりますので、この場所から入るのがベター。
そしてこの場所が、明治神宮最初のフォトジェニックとなりますよ。
ただし、平日・休日ともに多くの参拝者で気忙しい場所でもありますから、写真映りを気にする方は、休日の午前6時台がおすすめです!
⑵「南参道」 メインの表参道
南参道の一の鳥居をくぐると、いよいよ鎮守の杜です。
「鹿島神宮」(茨城県鹿嶋市)へ行った方は分かると思いますが、参道は社殿まで一直線という訳ではありません。特にこの南参道は、緩やかに蛇行しているだけでなく、一の鳥居から神橋までは下り坂に、その先は二の鳥居前まで緩やかな上り坂となっているのです。
何でもないように思うでしょうが、この微妙な変化が周辺の木々と共存し、より雄大かつ温和な雰囲気と景観を形作っています。
⑶「菰樽(こもだる)と葡萄酒樽(ぶどうしゅだる)」
近代化が進む明治期は、「和魂洋才」の精神のもと、近代国家としての歩みをはじめます。「和魂洋才」とは、この国の伝統を守りつつ、西洋の優れたモノを採り入れようとする心意気であり、明治天皇は自ら積極的に推進したと伝えられています。
南参道には、明治天皇が西洋酒の中で特に好まれたというフランスの「葡萄酒(ぶどう酒)」や、日本の産業を奨励した経緯から「清酒菰樽(こもだる)」がズラリと奉納されています。
⑷「大鳥居」 高さ日本一を誇る木造の明神鳥居
南参道と北参道が合流する場所に、木造の「明神鳥居(みょうじんとりい)」としては日本一の高さを誇る「大鳥居」があります。
台湾の山奥から切り出した大鳥居💡
現在の鳥居は、初代鳥居の老朽化と落雷による損傷から世代交代をしたもので、台湾の丹大山(たんだいさん)から樹齢1500年にも及ぶ扁柏(ヒノキ)をもって作られました。
鳥居は神社の象徴であり、神格を示すものとして相応の出来に仕立て上げなくてはなりません。ましてや天皇をお祀りしているのですから、尚更のことです。といいましても、初代のような老木などそうそうなく、やっとの思いで発見したのが台湾中央山脈にあった古木でした。道無き道を切り開き、当社まで運ぶのは大変なことだったでしょう。
損傷を受けて丸5年、昭和45(1970)年に完成をみた苦心の鳥居こそ、現在の2代目「大鳥居」なのです。
⑸「明治神宮社殿」 戦後復興の先駆けとして
明治神宮の社殿は、「橿原神宮(奈良県橿原市)」や「平安神宮(京都府京都市)」を設計した建築家 伊東忠太(いとうちゅうた)氏による作品で、大正9(1920)年に完成しました。当初は明治式の新しい建築様式にする発案がありましたが、伝統に倣い本殿は神社建築では最も多い「流造(ながれづくり)」で建てられています。
昭和20(1945)年の東京大空襲では、境内に1330発もの焼夷弾が投下され、御神霊の大御霊(おおみたま)こそ守ることができたものの、神門と宿衛舎(しゅくえいしゃ)、祓舎以外はすべて焼失してしまいます。戦後の復興は、明治神宮とともにあり、貧しい時代でありながらも全国からの多額の浄財により、再建されました。また拝殿前の3本の大楠は、黒焦げになりながらも今日まで生き続けており、戦後復興の力強い生命力を感じる場所となっています。
⑹「宝物殿(国指定重要文化財)」
(出典:「Wikipedia(明治神宮)」より)
明治神宮の北方にある宝物殿は、明治神宮が創建した翌年の大正10(1921)年に竣工しました。奈良の正倉院の「校倉造(あぜくらづくり」を模した「校倉風大床造り(あぜくらふうおおゆかづくり)」と称し、初期の鉄筋コンクリート建築の代表的な建物です。平成23(2011)年には、国の重要文化財に指定されました。
なお、東日本大震災による屋根の損傷から、修復工事と耐震工事に着手しており、平成29(2017)年1月9日をもって、当面の間閉館しています。開館の目処が立ち次第、公式ホームページにて発表されるとのことです。
⑺「明治神宮御苑」 明治天皇が愛した名苑
(出典:「Wikipedia(明治神宮)」より)
明治期に宮内省の管轄となり、代々木御苑と称され、明治天皇と昭憲皇太后が度々お出ましになられた所縁深い場所です。ここには一時期大変有名になった「清正井(きよまさのいど)」があり、ピーク時は整理券が配られる程であったと言われています。
また、御苑には花菖蒲(はなしょうぶ)の菖蒲田があり、6月には見事な花を咲かせます。
御苑の見どころについては、また改めて記事にしますね。
⑻「明治神宮社叢」 前代未聞の大プロジェクト!
明治神宮の社叢は、人の手で植えられた人工林です。
100年後をイメージして作られた明治神宮の森💡
明治神宮の鎮座地が代々木に決まった時、ここは御苑を除いて果てしない荒野が広がっていました。そんな場所に神社を建て、しかも天皇の神社でありますから何とか立派な社叢にしなければならない、そんな思いで当時の学者が知恵を絞ります。
何を植えたら立派に育つか、100年後自然な状態になるのかどうか考え、最終的に「照葉樹でなければ育たない」との結論に達します。それは、大正時代既に東京では公害が発生し、大木が次々と枯れていってしまったという背景があったからなのですが、時の内閣総理大臣 大隈重信(おおくましげのぶ)首相は伊勢神宮や日光東照宮のような壮大な杉並木を要望します。それでも林苑関係者は、水気が少なく、関東ローム層の代々木では不向きと断固として反対し、ようやく納得させたそうです。
この時、もし杉林にしていたらどのような森になっていたのか、専門家ではない私は想像できませんが、少なくとも壮大かつ温厚な雰囲気とはまた違ったものになっていたでしょう。明治神宮創建から100年後の今日、ここでしか見られないような貴重な植物が専門家による学術調査のもと認められており、人の手で自然な状態が作られたことは世界的にみても賞賛されるに値するでしょう。
この森がどのように作られたのか、当時の人たちに思いを馳せつつ、是非実際に足を運んで想像しながら歩いてみて下さい。
御朱印情報
(明治神宮)
受付時間 |
9時00分〜16時00分 |
拝受場所 |
神楽殿(1F) |
初穂料 |
300円 |
オリジナル御朱印帳 |
1種(1000円) |
備考 |
・拝受場所は通常は「神楽殿(1階)」ですが、天候や行事、混雑具合により「神楽殿(地下1階)」や「長殿(ながどの)」でも頂く場合もあるようです。 ・状況や混雑具合による変更があるものの、分かりやすいように張り紙がしてありますから、迷うことはありません。 |
明治神宮歴史データベース
最近、「明治神宮百年誌」編纂事業の一環として、明治神宮に関する歴史情報の管理・提供を目的に、データベースが閲覧できるようになりました。ご興味のある方は下記からどうぞ↓
www.rekishidb.meijijingu.or.jp
明治神宮を参拝して
(朝6時半ごろの神宮橋)
朝の5時、5日程早起きに挑戦して、ようやく叶った明治神宮の早朝参拝。
私にとっては2度目の参拝となりました。
(朝6時半と10時の南参道第一鳥居の様子)
初めて足を踏み入れた1度目の訪問は、人手の多い神社とはいざ知らず、人波の中で何とかカメラを構えて写真を撮影しました。まだ東京に来て間もないころ、心のざわめきが今でも蘇ってきます。それに比べ今回の参拝はどうだろう。
(陽光を浴びる菊の御紋が眩しい)
人はほとんどおらず、朝の散歩を日課にしている地元民が数える程度。
それだけに入り口に聳え立つ鳥居や木々の存在が一際大きく見えました。南神門からは、なお清浄な空気が漂います。
(南神門は焼夷弾による焼失を免れた創建当初の建物)
拝殿前に立つ衛士さんに挨拶をする人が、その人にとっては日常であっても、私にとっては何か特別なことのように思えて、大変清々しく、同時に嬉しい気持ちになったことを今でも覚えています。「こんにちは」より「おはようございます」の方に清々しく感じるのは、一日の始まりだからでしょう。一日一日を大切に、今日もまた新しい一日が始まるのです。早朝参拝の醍醐味はここにあると思います。
(戦後に再建された拝殿)
人手の多い都会の神社だからこそ、また違った一面を感じ取ることができる早朝参拝。明治神宮へ行くのなら、是非お試しあれ。