【2019年1月30日(水)奉拝】
香川県三豊市に鎮座する「大水上神社(おおみなかみじんじゃ)」は、大水上大明神(大山積命?)、保牟多別命(応神天皇)、宗像大神(むなかたのおおかみ)を祀る讃岐国二宮です。延喜式神名帳に記載があり、少なくとも平安時代には鎮座していたとされますが、創建年代は不明です。
境内を流れる宮川沿いには多くの遺跡が発見されていて、その後の平安時代の窯跡や南北朝時代の石灯籠などいくつかの見どころがあります。鎮守の森でゆっくりと散策したいお社です。
- アクセス
- 境内案内と見どころ
- ⑴「時雨燈籠(しぐれどうろう)」 南北朝時代の石灯籠
- ⑵「うなぎ淵(竜王淵)」 鰻で天気を予測する
- ⑶「千五百皇子社(せんごひゃくおうじしゃ)」
- ⑷「陰陽石(いんようせき)」 産霊神を祀る
- ⑸「二ノ宮窯跡」 平安時代?の貴重な窯跡
- ⑹「大水上神社社叢」 環境保全地区
- 御朱印情報
- 大水上神社を参拝して
アクセス
※車
境内案内と見どころ
大水上神社の見どころ、6箇所あります。
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⑴時雨燈籠(しぐれどうろう)
⑵うなぎ淵(竜王淵)
⑶千五百皇子社(せんごひゃくおうじしゃ)
⑷陰陽石(いんようせき)
⑸窯跡(国指定史跡)
⑹大水上神社社叢
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♦︎境内案内図♦︎
※随身門の前に数台分駐車スペースあり。
⑴「時雨燈籠(しぐれどうろう)」 南北朝時代の石灯籠
康永4(1345)年、南北朝時代に建てられた「時雨燈籠」です。
基礎と中台は六角形で、竿全面に雲龍文様が施されています。建立年や願主などが記された六角形時雨燈籠の貴重な作例として、県の有形文化財に指定されています。
灯籠のてっぺんにある「宝珠(ほうじゅ)」は風化したのか形がよく分かりません。
数多くの石灯籠を見る中で最も多いのが丸い宝珠ですが、稀に月の形のものがあります。この灯籠も月を象ったものでしょうか。
⑵「うなぎ淵(竜王淵)」 鰻で天気を予測する
境内を流れる宮川に「うなぎ淵」という雨乞神事の遺跡があります。
ここには黒と白の鰻がいて、黒鰻が姿を見せると雨に、白鰻が出れば日照りが続き、蟹が出ると、大風が吹くといわれていました。
香川県は中国山地や讃岐山脈、四国山地に囲まれているため昔から雨が少なく、それゆえ日本一大きな溜池を作ってしまうほどに水が恋しい場所なのです。雨乞いが重要な神事であったことは、言うまでもありません。
⑶「千五百皇子社(せんごひゃくおうじしゃ)」
大水上神社の社殿の側から伸びる参道を進んだ先に「千五百皇子社」があります。
巨石の上に建てられたこのお宮は、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)を祀っています。社名の「千五百」は、伊邪那岐命と伊邪那美命(いざなみのみこと)が離縁する際にかけ合ったセリフに起因します。
黄泉の国から追いかけた伊邪那美命は、伊邪那岐命の大岩で邪魔され腹を立てます。遂には「お前の国の人間を一日1000人殺してやる」と言い放ち、伊邪那岐命は「それならば私は産屋を建て、一日1500の子を産ませよう」と言い返したというあの有名なシーンです。
⑷「陰陽石(いんようせき)」 産霊神を祀る
千五百皇子社の参道から山道へ入った所に、陰陽石が祀られています。
周囲には木の根が地表に出ていて、とても生命力に満ちた場所のように思いました。
陰陽石へ通じる山の入り口です。
といってもすぐ目の前にあり、山道を歩くということはありません。
⑸「二ノ宮窯跡」 平安時代?の貴重な窯跡
(第一窯跡) (第二窯跡)
境内を流れる宮川沿いの遺跡の一つに「二ノ宮窯跡」があります。
窯からは瓦のほか、酒を飲むための杯(つき)や硯などが出土しました。およそ平安時代後期から鎌倉時代に掛けての窯とみられ、貴重な文化財として昭和7(1932)年に国の史跡となりました。
下左の写真は、第二窯跡を拡大したところです。
(出典:「二ノ宮窯跡」の案内板より引用)
⑹「大水上神社社叢」 環境保全地区
大水上神社のあるこの地は、小さい谷によって二分された場所です。
植生の大部分はツブラジイやシリブカガシを主体とした常緑広葉樹に覆われていて、自然度の高い社叢として、環境保存地区に指定されています。特に千五百皇子社へ向かう参道は樹々が鬱蒼と茂り、古代信仰の名残りとその神聖さを感じるほどです。
御朱印情報
受付時間 |
10時00分〜16時00分 |
拝受場所 |
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初穂料 |
300円? |
オリジナル御朱印帳 |
不明 |
備考 |
日曜日のみの対応となりますので、ご注意下さい。 大水上神社連絡先:0875-74-7817 |
大水上神社を参拝して
(千五百皇子社の参道)
讃岐国二宮と言われる大水上神社は、鬱蒼と茂る社叢が素晴らしく大変神聖さを感じる神社でした。あまり引き合いに出したくはないのですが、讃岐国一宮の「田村神社」(香川県高松市)とは鎮座地や神威、社叢ほかすべてにおいて大水上神社の方が優っています。
(宮川沿いの巨石)
境内にはモニュメント(神像)が無く、おびただしい数の賽銭箱もありません。
大水上神社はあくまで自然界が中心にあり、俗界の社殿や付属物は必要最低限に止めているように思いました。
(自然界への入口に建つ第二大鳥居!) (大水上渓流谷にある随身門)
琴平町に鎮座する「金刀比羅宮」にも近いので、是非セットで参拝してみて下さいね。